経済産業大臣指定106号「甲州手彫印章」の技法は文字文化4,000年の歴史のなか、最も美しい篆書を中心に、今彫ろうとする印章の文字のデザインを考え、字割り、字入れ、粗彫、仕上げ等すべて手作業で、昔ながらの道具と技法で行っています。
完成された印影の美しさの追求と、それを表現するための印刀捌き、私達は、古くから伝承された技術を、次の世代に引き渡していきます。
『甲州手彫印章』の伝統的工芸品の指定は、平成17年7月31日に、山梨県印章店協同組合に対し、伝統的工芸品産業の振興に関する法律第2条第1項及び第2項の規定に基づき、下記の通り定めて指定されたものです。
私たち山梨県印判用品卸商工業協同組合は甲州手彫印章の普及に協力しております。
【通商産業省告示第472号】
伝統的工芸品産業の振興に関する法律(昭和49年法律第57号)第2条第1項及び第2項の規定に基づき、甲州手彫印章を同第1項の伝統的工芸品として指定したので、同条第4項の規定に基づき告示する。
- 1. 伝統的工芸品の名称
- 甲州手彫印章
- 2. 伝統的な技術又は技法
- 1.『印面摺』は、砥石を用いて印面を平らにすること。
2. 『字入れ』は印稿及び字割を行った後、枠内に左文字で描く事。
- 3. 印材がツゲ及び水牛にあっては、次の技術又は技法によること。
- 1. 起低刀を用いて文字部分を残すよう粗彫りをすること。
2. 判差刀を用い、押切刀法及び引切刀法により文字を整え、
仕上げをすること。
- 4. 印材が水晶にあっては、次の技術及び技法によること。
- 1. タガネ背製の丸刀をたたきながら印面を掘り出すこと。
2. タガネ製の平刀をたたきながら文字を仕上げること。
3. タガネ製さらい刀たたきながら深く彫り、凹面の整形をを行うこと。
- 5. 伝統的に使用されてきた原材料
- 印材は、ツゲ、水牛、水晶とすること。
- 6. 製造される地域
- 甲府市・富士吉田市・塩山市・都留市・山梨市・韮崎市・大月市・勝沼町・豊富村・市川大門町・六郷町・下部町・増穂町・鰍沢町・中富町・身延町・竜王町・昭和町・田富町・八田村・櫛形町・双葉町
- 7. 指定年月日
- 平成12年7月31日
甲州手彫印章完成までの流れ
1 |
: |
印材吟味 |
2 |
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印面調整(印面撰)
(印面の凹凸を平らにする) |
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3 |
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書体選定 |
4 |
: |
印稿作成
(文字・書体を選定し和紙に
完成時の文字を書く) |
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5 |
: |
朱塗り |
6 |
: |
字割
(彫刻文字の配置・配分をする) |
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7 |
: |
字入
(印稿の文字を見ながら
印面に直接、左文字を書く) |
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8 |
: |
字入見直し |
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9 |
: |
粗彫
(入念に書き込まれた文字を
傷つけないように慎重に彫り上げます) |
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10 |
: |
印面調整 (印面に生じたケバ等を
取り除き平らにする) |
11 |
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墨打 |
12 |
: |
字直し (印面に墨を塗り、
判差刀で文字を整える) |
13 |
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さらい |
14 |
: |
印面磨き |
15 |
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捺印 |
16 |
: |
仕上げ (捺印し、不備な箇所を
捕刀して仕上げる) |
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11 |
: |
さらい
(さらい刀で文字以外の所を
深く彫り整える) |
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12 |
: |
仕上げ
(捺印し、不備な箇所を
補刀して仕上げる) |
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